非日常茶飯事。

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僕はこの世に産まれてきたのは
だれかが産まれて欲しいと思ってくれたから
少なくとも
親がそう望んでくれた。
真っ白だけど懐かしい日記。
あたたかい日記。



   「形のない日記帳」


19××年

僕は産まれた。
体重は3240グラム。
普通くらいなのかな。
初めて世の中を見た。
目をつぶっていても明るかった。



布団の上の生活が始まる。
たまに親に抱かれたりしながら毎日送っていた。
まだ言葉はしゃべられないけども、笑うことはできた。
笑ったら笑い返してくれた。



はいつくばって歩いてみる。
いろいろ見つけた。
食べてみようかと思ったら親に怒られた。


両足で立つことができた。
僕にとっては高い世の中を見た。
親はまた笑っていた。いつもより笑ってくれた。
うれしかった。


初めての誕生日会を家族でやった。
いつもより豪華なご飯をたくさん見た。
まだほとんど食べられなかったけれどおいしそうだった。
また親は笑ってくれた。
うれしかった。



風邪をひいた。
辛い。熱い。
布団から起きあがることができなかった。


幼稚園に入学した。
全然知らない人たちばかりだった。
話すこと、できるんかな。


友達が出来た。
幼稚園では毎日その子とあそんだ。
その子も笑ってくれた。
うれしかった。




また風邪をひいた。
でも前と違う。
ただの風邪なのに1週間、1か月と治らない。
辛い。熱い。
ただの熱なのに。
どうして。


















病院で
「白血病」だと診断された。
悪性。
でも僕には全然わからなかった。

いつもどうりに毎日を送れると思っていた。




でも親は
いつも笑ってくれていた親は泣いていた。
その日からあまり親の笑い顔を見なくなった。
見ても
作り笑いだってすぐわかった。




悲しかった。






幼稚園にはもう行けない。
見る光景はずっと病院の中だけ。
親は毎日、「早くドナーが見つかると良いね。」と
作り笑いで言ってた。

僕はドナーってなんなのかわからなかった。

でもとりあえず
「うん。」と言った。

薬の副作用で髪の毛がなくなっていく。











お父さんが
「海に行こう。」と言った。
初めての海。
何なのかよくわからなかったけれど楽しみだった。
お母さんもその時は笑っていた。
昔の笑顔だ。







海はとてもきれいだった。
お父さんに抱きかかえられながら海を見た。
海面がキラキラしていてとてもきれいで
足だけ海につかった。
熱い体には冷たい位で
とても気持ちよかったんだ。
ありがとう。
家族で写真を撮った。
最初で最後の外での家族全員での記念撮影だった。










病院に帰ってきた。
還ってきてすぐに、「無菌室」という場所になった。
髪のない頭にシャワーキャップみたいなのをかぶせられて
手ぶくろもして
ずっと寝たきりだった。
お母さんもお父さんも毎日会いに来てくれた。
僕と同じ格好をして。


作り笑いじゃなかったけど
笑ってもいなかった。
お母さんなりに笑ってるんだ。
でも目は変わってない。
悲しいまま。
お母さん。
笑ってよ。



お父さん、海に連れていってくれてありがとう。
とても奇麗だったんだ。
忘れられないくらい冷たい海は
自然に笑顔がでるくらい

とっても楽しかった。
お父さんといる時が。
海にいた時みたいに
笑ってよ。
お父さん
笑ってよ









意識がなくなってく。
まだ心臓は動いてる。
でも目の前は真っ暗だ。
・・・これが『こん睡状態』ってやつなんだ。
目を開けたいのにあけられない。
眠くないんだけど
身体が動かない


親の顔だけでも見たいって思った。



気持ちが伝わるなら
届くなら
神様

「ありがとう」

って伝えて下さい。


小学校行けなくてごめんね。
親不孝もいいとこだね。ごめんなさい。
でもたのしかったから。
いいんだーって許してもらおっと。

先に空で待ってるから。

また会ったときには
笑顔が見たい。













形のない日記帳は
ここまでしか書かれていない。


享年 6歳


あまりにも短すぎる命だった。
でも中身は他の人に負けないくらい強い子だった。
よくがんばったね。
お疲れさま。
最期まで泣いていてごめんね。
今度会ったときはたくさん笑おうね。







親は
声をあげて子供のようになきじゃくっていた。







形のない日記帳。
別名「思い出」


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